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名古屋市緑区の加藤厚税理士事務所 相続税 贈与税 相続対策 中京大学非常勤講師

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企業編C

名古屋の百貨店は以前は“4M”と称されていました。松坂屋、三越、名鉄百貨店、丸栄の頭文字をとったものです。そこに“黒船”の高島屋がやってきて“4M1T”となりました。名古屋にとってはいいことなんですけどね。その高島屋は開店以来業績を伸ばし、名古屋の商圏を変えてきました。栄から名駅(メイエキ)へと。

 そのあおりをもろに受けたのが、松坂屋名駅店です。規模が小さく、しかも高島屋JR店の隣ですから、たまったものではありません。そこで“逆転の発想”ということで、ジリ貧一変した松坂屋名駅店をご紹介します。

 JR名古屋タカシマヤ(高島屋)の開業(2000年3月)以来、名古屋の百貨店で売り場面積が最も小さく、売り上げ伸び率でも最下位を争っていた松坂屋名古屋駅店が3月の対前年売り上げ伸び率で、一躍トップに躍り出たそうです。高島屋と名鉄百貨店という名駅の大規模店に対して「古くて小さい」ことを生かした“逆転の発想”による大胆な改革が実を結んだらしいとのこと。

 高島屋開業後、前年比で一割から二割以上の売り上げ減が続いていた松坂屋名古屋駅店。三年前に赴任した店長は大規模二店との対抗策に頭をひねり、たどりついたのが「松坂屋が強いミセス商品の拡充」。各年代を対象にした品揃えをする大規模店を逆手に、ターゲットを三十代以上の女性に絞り込みました。弱者の戦略ですね。

 まずミセスの売り場を約1780平方メートル増やし約5170平方メートルに。総売り場面積の約1/3に相当。さらに6階のメンズコーナーを縮小し、女性に人気の高いマッサージや香りの専門フロアに大改装した。徹底してます。

 しかし、総売り場面積だけなら名駅前の他店は約3倍もあり、品数も豊富。そこで目を付けたのが「広いと、どこに何があるか分からず不便だ」という年配客の声。他店にないブランド品を選んで並べるなど商品を厳選した。

 ある消費者の女性は「新しいところは疲れる。ここは私たちの気持ちを分かってくれてほっとする」と、店員に耳打ちしてくれたそうです。嬉しいですねえ。まさに効果ありあり?

 「マスコミに報道されそうな」催事も企画。昨年10月、岐阜市のアパレル問屋50店を集め、直接販売を開催。名古屋市内の百貨店では初めての企画で“高級”なイメージの百貨店が「安価」に挑戦した。今年1月には、名古屋の百貨店では15年ぶりの「JR・私鉄忘れ物品販売」を実施。期待通りの売上高に加え、新聞やテレビなどでも紹介されていました。これは大きいですね。タダで宣伝してくれるんですから。

 この結果、高島屋開業後、一度も前年を超えたことがなかった同店の売り上げは1月に102・4%を記録。勢いは続き、2月は106・0%、3月には109・8%。同月の売上高約11億7000万円は、この2年間で繁忙月を除いて最高。一方、高島屋の三月の売り上げは、2年ぶりに前年割れの96・5%、名鉄は98・8%だった。

 店長は「結果が出ると店員の目の輝きが違ってくる。それがうれしい。今後もサービスを充実させ、売り上げを伸ばしたい」と意気込んでるそうです。

 「百貨店」より「五十貨店」というものもありなのでは。我々のビジネスにも少しは参考になるのではないでしょうか?



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